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ウィル禁ソンと感じたこと

番外編の解説?もどき

こちらに解説?もどきも書こうと思います。

 

mangahack.com

これが正解と思わず、様々なご感想をお待ちしてます。

双子メトロノーム

冒頭の両端にいたんだ、僕たちというのは正反対の性質の双子を表してます。

メトロノームが右側しか動かないのは片方の音が鳴らなかった=つまり片方が死んでいるという表現です。あとは読んでのとおりですが、何点か。

ルディは臆病なので嘘つきでいて、言わなくてもいい正直者なところもあります。

・・・・いいよ、とか、うん、そうだよ

は全部真逆のことを思っています。

一方で相手を殺しにかかった時は動機を正直に話してくれます。

個人的には臆病なキャラクターなんだなと思ってますが。のちに拷問狂になっていく過程でどこかゆがんだところがあってほしいなと思い、そこは正直にならなくていいところの正直さを出させました。

ルディが絵についてもどうでもいい、と言ってる通りどうでもいいのだと思います。セスが絵に興味があったから自分も描いて近づきたかった、あわよくばシャルルとは別の一緒の話題に乗りたかったのでしょう。ただ、そこに絵について同じく興味のないシャルルが言及して割り込んできたから、トリガーになってしまったのだと思います。

 

セスの解釈が難しいというご感想があったので解説?コーナーです。わかっちゃえば大したこと言ってません。

 

のちにセスがメトロノームと不協和音と表現してますが、その発言が元で冒頭につながる回想だというわけです。”メトロノームと不協和音”と”赤い香りに青い感情が歪み混ざった色”とはシャルルに対しての聴覚、視覚、嗅覚の感じたものを混ぜた表現です。

触覚と味覚は実際にシャルルに対して触れたこともなければ味わったことも(語弊)ないので言及していませんが。つまり深い関係性ではないね、俺たち。ということです。

それでいてモデルに誘うので、その足りない2つの感覚を満たせる人物だと期待させる発言を(意図的に)しています。シャルルに伝わっているかは甚だ疑問ですが。それが   好きだよ、に対するある種の回答というか、その気にさせてる罪深い男です。あとであれってどういう意味だろう?って考えてくれるのを計算してる節があります。

 

メトロノームと不協和音”

 メトロノームは同じリズムで音を刻み、不協和音は人間が不快に感じる不自然な和音。メトロノームは同じリズムを奏でる双子の音を、不協和音は不調和を指しています。

色彩的には”赤い香り”は命、愛情、情熱、怒りなどの激しい色を感じさせる香り=どことなく生命の血のような生臭さを嗅覚と色で表現してるのと

”青い感情”

青はマイナスイメージの冷酷、不安、悲しみと知性、未熟さなどの意味で言っていると思います。感情という意味では心理的にシャルルの冷酷さと不安と悲しさを指しているでしょう。

”歪み混ざった色”

つまり赤と青が歪み混ざった色=紫ですね

歪み、というのはパレット上の絵の具を混ぜた時に現れる模様で、紫とはつまり赤と青の両方の面を持つ二面性のある色というわけです。

で、複雑で微妙な風合いだ=二面性があるのに紫色はどっちつかず=シャルルディは中間の紫色のように見える。お前はシャルルに成り代わったつもりでも新しい色になってるんだ。という話です。

 

つまり何が言いたいかというと、”お前って俺を慕うけど自分の感情のために成り代わったつもりで殺したんだろ?血の匂いがする。情熱的な赤色の血ね。でも未熟で冷酷な青い君もエゴイスティックでそういうの嫌いじゃない。赤のシャルルと青のシャルルが混ざって新しい複雑な紫色=シャルルディになった君には興味が湧いてるところもある。青から紫に変わるときの不安で、冷酷で、二面性があってどっちつかず、猟奇的なその過程。一般的には醜いけど俺にとっては美しく感じるし、感覚を埋めてくれるモデルとして気にはなってる。”ってことを絵画のようにぼかして境界線をなくすレベルに難解にして言ったのではないかと思います。つまり惨劇を見通した上で思わせぶりな一言を放った線が近いです。

 

セスは自分の感情を絵画に捧げてる節があるので、あまり人に言語で直接伝えないキャラクターです。少なくとも少年期のセスはそうですね。(のちの章ではいろいろな顔があるのが明らかになります。)

 

という意地の悪い氣になる一言を残していたのでした。セスたん。(終わり)